TPP活用法 2013 2 24

書名 TPPで日本は世界一の農業大国になる
著者 浅川 芳裕  KKベストセラーズ

「攻撃は最大の防御である」
 日本の農業は、いつもいつも、
「守る」という言葉ばかり聞こえますが、
21世においては、発想の転換が必要です。
 あまり知られていませんが、
日本の農業技術は、極めて高いと言えるでしょう。
 日本は、工業力の高さで、
自動車は、世界一となりました。
 今度は、農業技術の高さで、
日本は、世界一の農業大国を目指すべきです。
 この本から引用すると、
「TPPは農家にとって、家業の外部要因のひとつにすぎない。
関税は、いずれ下がることを見越し、経営体質を強化してきた。
 設備や機械に長期投資を行い、
個々の品目で技術革新を図ってきた。
 売り先を多様化し、スタッフを育成しながら、
財務改善をしてきた」とあります。
 正に、そのとおりです。
私の実家は、農業で、父は、常に最先端の農業を目指していました。
さらに、販売方法も経営方法も、あらゆる手法に取り組んでいました。
父は、経営者としても、農業の技術者としても、成功者と言えるでしょう。
 私は、父から、よく聞かれたことがあります。
「国や県に、農業改良普及員という人がいるが、
あれは、何のためにあるのか」という質問です。
 さらに、父は、「農業は、規制が多く、
大成功することができない」と不満を漏らしていました。
父の成功は、子供全員を東京の大学へ送り出す程度の「成功」に終わってしまったのです。
 もし、農業に規制がなかったら、
父は、農業という分野で、大成功したでしょう。
 政府の基本方針は、農民は、「生かさず、殺さず」か。
これでは、江戸時代と変わりありません。
 さて、TPPで話題になるのは、コメ(rice)でしょうか。
この本では、コメの種類について、図解があります。
TPP9カ国のコメ輸出量に占める「長粒種、中・短粒種」という図です。
 この図によると、長粒種は、なんと91%を占め、
中・短粒種は、わずかに9%となっています。
日本人が、好んで食べているのは、短粒種です。
 私は、コメの関税は、ゼロにしてよいと思っています。
日本人が、突然、モチモチ感のないコメ(長粒種)を好きになることはないでしょう。
 この本によると、
アメリカのコメ生産量1000万トンのうち、
日本人が好んで食べるコメ(短粒種)は、30万トンにすぎないとあります。
 もちろん、関税ゼロになれば、
アメリカが、短粒種の生産を拡大する可能性がありますが、
それは、従来の顧客を捨てて、短粒種を生産することになります。
 アメリカのコメを当てにしている国が多いので、
これは、外交問題に発展するでしょう。
日本と違って、外国では、食糧問題は暴動に結びつきやすいからです。
 ところで、日本の農家が、TPPの主流である長粒種を作る発想も必要でしょう。
短粒種の生産で培ってきた農業技術を応用して、
日本の農家も、長粒種を作るべきでしょう。
 自動車の輸出の次は、農産物の輸出でしょう。
日本の農業には、「攻撃は最大の防御である」という発想が必要です。

農業大国 2010 5 2
 農業大国というと、どういう国を連想するでしょうか。
1位中国、2位アメリカ、3位インド、4位ブラジル、5位日本。
 日本の5位は、妥当と見るか、意外に低いと見るか。
日本の人口は1億人強で、経済規模は世界第2位(2010年当時)。
 日本の消費者は、国産に強い「こだわり」があります。
だから、スーパーに行くと、売っている農産物は、国産ばかり。
そういうわけで、必然的に日本は「農業大国」となるでしょう。
 その上、日本の農業技術は、非常に高い。
日本の農業に興味がある方は、以下の本を読むと知識が深まるでしょう。
 書名 日本は世界5位の農業大国
 著者 浅川 芳裕  講談社プラスアルファ新書
 もう5年以上前になるでしょうか。
私は、このように提案しました。
「日本は、工業製品だけでなく、農産物も輸出したら、どうでしょうか」
これに対して、多くの人は、こういう反応でした。
「日本の農産物は高いから、世界では売れない」
 しかし、世界には、いくら高くても、
安全で、おいしい農産物を買いたいと思っている人が多いのです。
 たとえば、人口の1%が富裕層だと仮定すると、
人口1億人では、富裕層は100万人程度になってしまいますが、
人口10億人ならば、富裕層は1000万人の規模になり、
市場規模としては大きなものとなります。
商売するならば、金持ち相手のビジネスも考えておく必要があります。
 いや、金持ちでなくても、たまには高品質なものを食べたいと思うでしょう。
たとえば、誕生日や記念日などの特別な日が考えられるでしょう。
 さて、次に考えているのが、農業技術の輸出です。
日本の農業技術は高いと書きましたが、
こうした技術をぜひとも世界に輸出したいものです。
 日本の工業力は、世界の誰もが知っているでしょうが、
日本の農業力は、意外に知られていません。
 日本の新幹線技術を外国に売り込むのもよいことですが、
その前に、日本の農業技術も外国に売り込んでは、どうでしょうか。
 前述した浅川氏の著作には、こうあります。
「7%の超優良農家が、全農産物の60%を産出」
こうした超優良農家は、世界でも活躍してほしいと思います。








































































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